過蓋咬合の歯科矯正治療例
矯正歯科治療は公的医療保険適用外の自費(自由)診療となります。
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過蓋咬合(深い咬み合わせ)の症状について
過蓋咬合とは、奥歯で咬んだ時に上の前歯が過剰に下の前歯に被さることで、下の前歯が見えにくくなっているような状態の咬み合わせです。歯並び自体が悪くない場合もあり、なかなかご本人では気が付かないことも多々あります。しかしながら咬み合わせとしては様々な問題を生じる原因となるので注意が必要です。ご本人で気付かれる場合として、上の歯グキに下の歯が当たって噛んでしまい痛みが出たり、下の歯が削れて冷たいものがしみたりすることもあります。また過蓋咬合が原因で生じる主な症状として顎関節症があります。
過蓋咬合の人は顎関節症になりやすい
過蓋咬合を矯正治療するべき要因の主なものは顎関節症の予防のためです。顎関節症とは、耳の前方にある口を開いたり閉じたりする際に動く関節(顎関節)や、その際に使う筋肉(咀嚼筋)に痛みや雑音が生じたり、口が開かなくなってしまったり閉じなくなってしまったりする病気です。
顎関節症の原因は非常に多くの要因が考えられ、まだよく分かっていないのが実情ですが、リスクとして挙げられているのが、ストレス、硬いものや咬みにくいものの長時間にわたる咀嚼、食いしばりなどです。それらと同様、悪い咬み合わせも顎関節症の原因になると言われています。悪い咬み合わせの中でも最も顎関節に問題を生じやすいのが過蓋咬合なのです。
過蓋咬合は下の前歯が見えにくくなっているため、咀嚼の際、どうしても上の前歯が干渉してしまってスムーズに口を開閉出来ません。しかしながら過蓋咬合の方は、その開閉で慣れてしまっている場合も多いので、悪い咬み合わせだと自覚出来ている方は非常に少ないのが実情です。そしてスムーズな口の開閉が出来ないために咀嚼筋に負荷がかかり痛みを生じたり、顎関節にある軟骨や骨の変形を引き起こしてしまったりするのです。
顎関節症は明確な治療法が見つかっていない
そして顎関節症の厄介な問題として、治療法が確立していない事が挙げられます。推奨されている治療法としては痛みの軽減や関節への負荷を軽減させる対症療法で、手術などの根治療法をしたとしても予後がそれほど変わらないことが知られています。
そのため、なるべく顎関節症にならないように予防に努めなければなりませんが、その中で分かりやすく改善が見込めるのが矯正治療による咬み合わせ治療なのです。
過蓋咬合の治療の基本
過蓋咬合の治療の基本は、まず下の前歯が見えるようにすることから始めます。下の歯が見えるようにするには一旦、上の前歯を前方に傾斜させる必要があります。すると口元は、一時的に出っ歯の状況となります。この治療順序は患者さんにとってあまり嬉しいものでは無いかと思いますが、必要な処置です。期間はおよそ半年程度です。
その後、歯を抜いたりインプラントアンカーを使用したりして、出っ歯を治す治療を開始します。
そして過蓋咬合の治療で特徴なのは、多くの場合下の歯に矯正装置を着ける時期が、上の歯よりも遅い時期になるということです。その理由として、上の歯と下の歯では、治るのに必要な期間が違うために、同時に始めてしまうと治療の進行状況に差違が生じてしまうからです。そのため、出っ歯を治しだしてから、時期をみて下の歯にも矯正装置を装着します。期間はおよそ1~1.5年程かかります。
そして最終的な微調整を半年程度行うことで過蓋咬合の治療は終了となりますので、過蓋咬合の治療期間はトータル2~2.5年程かかる計算となります。治療後は保定装置を使用していただいております。
過蓋咬合(深い咬み合わせ)の矯正治療例(Before&After)と解説
①過蓋咬合(深い咬み合わせ)の治療例(20代女性・治療期間4年4ヶ月)
年齢・性別 | 20歳代女性 |
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治療期間 | 4年4ヶ月(7ヶ月休止) |
抜歯 | 上の左右1本ずつ |
治療費 | 88万円(税込) |
備考 | 通院拒否 |
大学生の女性です。前歯のかみ合わせが悪いことが気にされて来院されました。このような咬み合わせの方は一見歯並びが悪いように見えないので、矯正治療が必要ないと思ってらっしゃる方が多いですが、上の前歯で下の前歯が見えない咬み合わせは、アゴの動きを制限するため顎関節症のリスクが高まると言われています。
分析の結果、このまま歯を抜かずに歯を並べると出っ歯になってしまうので、上の歯を左右で1本ずつ抜いて治療を行うことにしました。治療中、患者さんは装置が目立ってしまうということで気にされて矯正装置を裏側のものに変更したいとの希望もありました。
そして長期間来院されない時期もありましたが、来院時このまま治療を終えなければ当初の咬み合わせよりも悪い咬み合わせになってしまうこと、これから改めて治療を再開すれば正しい咬み合わせにすることが出来るとことを説得し、通院を再開して頂きました。治療後は約束通りきれいな歯並び、良好な咬み合わせにすることが出来ました。
②過蓋咬合(深い咬合せ)の矯正治療例(10代女性・治療期間3年2ヶ月)
年齢・性別 | 10代女性 |
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治療期間 | 3年2ヶ月 |
抜歯 | 上の左右1本ずつ |
治療費 | 88万円(税込) |
備考 | 成長方向のコントロール |
中学生の女子です。口元が前に出ていることを気にされて来院されました。状況としては上の前歯が下の前歯を深く覆ってしまっていて、下の前歯が見えないのと、上の前歯が前方に突出している、いわゆる出っ歯です。つまり上下の前歯が前後的にも垂直的にもギャップが見られるケースです。
分析の結果、上の左右の歯を1本ずつ抜歯して矯正治療を行いました。また成長期ということもあり、成長を予測し成長方向をコントロールする治療計画にしました。治療後はきれいな歯並び、良好な咬み合わせにすることが出来ました。気になっていた口元の突出感も見違えるほど改善しました。
③過蓋咬合(深い咬み合わせ)の治療例(10代男性・治療期間3年5ヶ月)
年齢・性別 | 10代男性 |
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治療期間 | 3年5ヶ月 |
抜歯 | 上の左右1本ずつ |
治療費 | 88万円(税込) |
備考 | 成長方向のコントロール |
中学生の男子です。他院にて将来アゴの骨の手術を伴った矯正治療が必要かもしれないとのとこで紹介され、来院されました。状況としては上の前歯が下の前歯を覆ってしまって、全く下の前歯が見えなくなっていました。
分析の結果、成長期で骨格的な修正も可能だったので、手術を回避して矯正治療単独で治療を開始することにしました。治療方針として成長方向のコントロールをまず行い、その後、上の左右の歯を1本ずつ抜きました。治療後はきれいな歯並び、良好な咬み合わせにすることが出来ました。
治療前
治療後
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