子供の出っ歯の矯正治療例(9歳女児 治療期間2年8ヶ月)
子供の出っ歯(上顎前突)の治療例(Before&After)と解説
年齢・性別 | 9歳女児 |
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治療期間 | 2年8ヶ月 |
抜歯 | なし |
治療費 | 44万円+44万円(税込) |
備考 | 子ども矯正(可撤式装置)+成人矯正(マルチブラケット法) |
リスク等 | ・歯の移動に伴う痛みを感じる場合があります。 ・矯正後の歯の後戻り など |
小学生の女児です。親御さんが将来歯並びが悪くなりそうだと気にされて来院されました。上と下の歯並びをそれぞれ単独で見ると悪くはないのですが、咬み合わせた状態では将来、前歯が出てしまう咬み合わせになってしまっていました。子どもの歯がきれいに並んでいても大人の歯がきれいに並ぶとは限りません。そこで治療方針として子ども矯正では、将来咬み合わせが良くなるように奥歯の咬み合わせを治すことにしました。
また親御さんにも子ども矯正だけでなく、成人矯正も見据えて治療をした方がいいということを説明させて頂きました。矯正装置は取り外しの出来るものを使用しました。患者さんが熱心に矯正装置を使用して頂くことで結果的に横の歯と歯の間に隙間を開けることが出来ました。そして再度成人矯正のための分析をさせて頂き、歯を抜かずに治療を進めていくことにしました。
成人矯正では固定式の装置を使い、前歯を子ども矯正で開けておいた横の隙間に移動させていきました。治療後は良好な歯並び、咬み合わせにすることが出来ました。今回の治療で歯を抜かずに矯正治療を行えた大きな要因としては、子ども矯正から治療を開始出来たことにあります。もし、子どもの歯が全て大人の歯にはえ変わってから矯正治療を開始していたら、恐らく何本かの歯を抜いていかなければならなかったと思います。
我々矯正歯科医は、治療上やむを得ず歯を抜く治療方針を立てますが、本来的には歯を抜きたいとは思ってはいません。しかしながら成人の歯並びは多くの場合、歯を抜かないで良好な歯並び、咬み合わせにすることが無理なことがほとんどです。
出来ることなら子どもの頃から矯正治療をさせて頂き、成人矯正まで見据えた治療方針を立てさせて頂けると、患者さんだけでなく我々にとっても幸せな治療方針が立てられます。